調査概要
今回の調査は、20~60代の既婚者500名を対象に2021年5月に実施されました。回答者の平均世帯年収は642万円で、専業主婦家庭が44.4%を占める構成です。
夫婦におけるお小遣い制の実情
夫の状況
- お小遣い制を採用している:45.2%
- お小遣い制ではない:54.8%
妻の状況
- お小遣い制を採用している:29.0%
- お小遣い制ではない:71.0%
夫の約半数が定額制を採用する一方で、妻では3割弱という結果に。お小遣い制を取らない家庭でも、月々の支出を管理しているケースが少なくありません。
お小遣い額の決め方
夫婦でのお小遣い額の決定方法を見てみると、
- 話し合いで決定:74.9%
- 夫が決定:12.4%
- 妻が決定:12.7%
約75%の家庭が話し合いで金額を決めているものの、双方が満足しているかどうかはまた別の問題。
実際には、納得できないまま合意している場合も少なくないようです。
家計の管理は誰が担当?
家計管理の担当者についての調査結果は以下の通りです。
- 夫が管理:13.4%
- 妻が管理:57.0%
- 夫婦で分担:29.6%
専業主婦世帯を含め、妻が家計を管理している家庭が過半数を占めています。
一方で、夫婦で共同管理するケースも約3割に達しており、ライフスタイルや家庭の状況によって役割分担が異なるようです。
平均お小遣い額:現実と理想
調査によると、実際のお小遣い額は以下の通りでした。
- 夫:30,053円
- 妻:19,697円
一方、理想の金額は、
- 夫:38,176円
- 妻:30,268円
夫も妻も、現在の額より1万円程度多い金額を希望していることが分かります。
年代別・家族構成別の違い
年代別の平均お小遣い(夫)
- 20代:26,750円
- 30代:24,649円
- 40代:33,691円
- 50代:34,000円
年代別の平均お小遣い(妻)
- 20代:22,591円
- 30代:18,986円
- 40代:17,412円
- 50代:22,500円
若い世代では収入が低い傾向が影響し、中年世代では収入の安定化に伴いお小遣いが増える傾向にあります。特に妻の場合、子育て世代の40代でお小遣い額が最も低くなるのが特徴的です。
地域や年収による差
世帯年収別のお小遣い
年収が高い家庭ほど、お小遣い額も高くなる傾向がありました。
世帯年収900万円以上の家庭では、夫39,808円、妻28,750円が平均でした。
地域差
東京都では夫が39,000円、妻が33,800円と、地方と比べて高い金額となっています。
都市部では生活費が高いことが影響していると考えられます。
お小遣いが足りないときの工夫
不足時の対策として最も多かったのは副業(41.4%)。次に配偶者への相談(25.2%)、リボ払い(6.2%)という結果でした。
副業の選択肢が広がり、家計の足しにする傾向が伺えます。
「へそくり」の実態
夫婦でへそくりをしている家庭は約40%。平均額は100万円以上で、多くは銀行口座に貯蓄されていました。
一方で、現金を自宅に隠しているケースは18.4%に留まりました。
実際の声から見えるお小遣い事情
39歳・東京都在住・世帯年収550万円
「夫のほうが収入が多い分、お小遣いが多いのは理解できます。でも、自分の自由に使える額がもう少しあればと思います。」
29歳・北海道在住・世帯年収450万円
「お小遣いが少なくても、夫婦で協力しながらやりくりしています。」
まとめ
夫婦のお小遣い額は、収入や家族構成による影響が大きく、満足度にもばらつきがあります。
副業やへそくりなどを活用し、現実的な家計管理を工夫している家庭が多いようです。
理想に近づけるためには、夫婦間の話し合いが鍵となるでしょう。